
鏡を見るたび気になるシミ、その正体は?
年齢とともに頬のシミが濃くなった気がする——シミには複数の種類があり、タイプによって治療方針が変わってきます。まずはご自身のシミがどれに近いのかを知ることが大切です。 ここでは見分けの目安とご相談のタイミングを整理します。
この記事の要点まとめ
- シミには老人性色素斑・そばかす・肝斑・ADMなど複数の種類があり、境界や色味で見分ける目安がある
- 年齢を重ねるとシミの種類が混在しやすく、自己流の擦り洗いやマッサージで色ムラにつながる場合がある
- シミの種類に応じて照射や内服・外用など治療方法が異なるため、医療機関で相談されることがオススメ
代表的なシミの種類と特徴をセルフチェックで見分ける方法

一口にシミといっても、皮膚のどの層にメラニンが溜まっているのか、何をきっかけに生じたのかで分類は変わります。まずは代表的なタイプの見た目の違いから考えていきましょう2。
境界線や色味で確認する老人性色素斑・そばかす・肝斑の違い
老人性色素斑は、輪郭のはっきりした円形〜楕円形の茶色い斑になることが多いとされます。左右で大きさや位置がそろわないことが多く、紫外線を浴びてきた部位に目立つ傾向があります。
そばかす(雀卵斑)は、鼻筋から頬にかけて数ミリ以下の小さな斑が細かく散るのが特徴です。幼少期から見られ、ご家族に似た肌質の方がいらっしゃるケースも少なくありません。
肝斑は、両頬骨のあたりに左右対称で、もやっと霞がかったように広がるのが目安になります。境界がぼんやりして輪郭を指でなぞりにくい——ここが老人性色素斑との違いとして挙げられる点です。
青灰色に見えるADMやイボ状の脂漏性角化症の特徴
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は、メラニンが表皮より深い真皮層にあるため、茶色というより青みや灰色を帯びて見えることがあります。頬骨の外側や鼻の脇、額の端などに、数ミリの点状の斑が左右対称に散らばる形が知られています。
脂漏性角化症(いわゆる年齢によるイボ)では、平らだったシミが年月とともにわずかに盛り上がり、表面がざらついてくることが手がかりになる場合があります。指の腹でそっと触れて段差を感じるかどうか、確かめてみてください。
他にも、生まれつき薄茶色が広がる扁平母斑、ケガやニキビ、虫刺されの跡が茶色く残る炎症後色素沈着などがあります。
「シミの混在」と「自己流ケア」による悪化リスク
年齢を重ねると、複数のタイプのシミが同じ場所に重なっているケースが珍しくありません。この「シミの混在」が、自己流ケアだけでは手応えを感じにくい理由のひとつと考えられています。
肝斑と老人性色素斑が重なっている場合の注意点
頬骨のあたりにもやっとした肝斑が広がり、その上に輪郭のはっきりした老人性色素斑が乗っているという様な症状は、比較的よく見られます。両者で向き合う順序が異なりますので注意が必要です。
肝斑は摩擦や刺激で濃くなりやすい性質があるため、混在しているケースでは、肌の状態を整えてから段階的に治療を進めるのが安心です。 どちらが主体なのかを見極めないまま強い刺激を加えると、かえって色ムラが目立つ経過をたどることもあります。
強いマッサージや誤った擦り洗いが招く色素沈着
「シミを揉み出す」「古い角質を落とす」などの発想で、洗顔時に強く擦ったり、美顔ローラーで圧をかけたりする方も少なくありません。しかし繰り返す刺激は炎症のきっかけとなり、炎症後色素沈着として残る場合があります2。
スクラブやピーリング製品の使用頻度が多すぎる、タオルで顔を強く拭く——こうした日々の習慣も見直しが大切です。肌は「触りすぎないほうが良い」が原則です。
シミの種類に応じた医療アプローチと日常のスキンケア習慣

シミの種類が整理できると、治療の方向性が見えてきます。形成美容外来では、診察した上でシミの性質に適したアプローチを提案させていただきます。
照射治療や内服薬・外用薬によるシミへの段階的なアプローチ
輪郭のはっきりした老人性色素斑やそばかす、真皮層のADMなどには、メラニンに反応する波長を用いたQスイッチルビーレーザーによる照射が選択肢のひとつとして挙げられます。盛り上がりのある脂漏性角化症には炭酸ガス(CO₂)レーザーが用いられることもあります。当院ではQスイッチルビーレーザー、炭酸ガスレーザー、光治療機器などを備え、皮膚の状態を確認しながら方針をご提案しています。
肝斑や炎症性色素沈着などでは刺激を抑えることが必要ですので、トラネキサム酸などの内服薬に、ビタミンC誘導体やハイドロキノンといった外用薬の組み合わせ治療を提案させていただくことがあります。「シミ」の種類によって、治療の方法と順番を計画立てて進めて行きます。
なお、あざとして扱われる一部の病変では保険診療の対象となる場合がありますので、お気軽にご相談ください。また当院では美容目的の点滴として高濃度ビタミンC点滴もご用意しています。
新たなシミを防ぎ肌をきれいに保つには
日頃より保湿と紫外線対策は大切です。日々のスキンケアで使われる化粧水や乳液は手のひらで押さえるようになじませ、肌をこすらない様に意識してみてください。また季節を問わず紫外線は年中届いていますので、日焼け止めは一年中通して習慣化すると良いでしょう。帽子や日傘の併用も助けになります。
よくある質問
Q1. シミ取りを考えていますが、何のシミか分からない場合はどうすればよいですか?
A. 自己判断で施術を選ぶ前に、まず診察で種類を見極めることをおすすめします。見た目が似ていても、照射を検討するタイプと、内服・外用から整えるタイプがあります。
Q2. 薄いシミと濃いシミでは何が違うのですか?
A. 色の濃さは、メラニンの量だけでなく、存在する深さによっても見え方が変わるとされています。表皮に近いほど輪郭が明瞭な茶色に、真皮層にあるものは青みや灰色を帯びて見える傾向があります。
Q3. 子どもの頃からある小さな斑点もシミの一種ですか?
A. 幼少期から鼻や頬に小粒の斑が散在している場合、そばかす(雀卵斑)である可能性があります。体質的な要素が関わるとされ、紫外線で目立ちやすくなることもあります。
Q4. 照射後の赤みやかさぶたはどのくらい続きますか?
A. 部位や照射内容、個人差によって幅がありますが、数日から2週間程度みられることがあります。テープで保護しながら日常生活を送れる場合も多く、ご予定に合わせた時期の調整についても診察時にご相談ください。
Q5. 市販の美白化粧品は続けてもよいのでしょうか?
A. 必ずしも使用を中止しなければならないというものではありません。ただ、擦り込むような使い方や、刺激の強い製品には注意が必要です。
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